【日本市況】円安加速、米イラン攻撃で有事のドル買い-株式下げ縮小
Bloomberg 2025年6月23日15:00JST
(ブルームバーグ): 23日の日本市場は円相場が対ドルで下落幅を拡大している。米国のイラン核施設への攻撃を受けてドルが買われている。円安を好感して株式は下げ幅を縮小、原油高騰で長期金利は上昇(債券価格は下落)している。
円相場は1ドル=147円台まで下落した。トランプ米大統領は米国時間21日、イランの核施設3カ所への攻撃を成功裏に完了したと明らかにした。「有事のドル買い」でドルは主要通貨に対してほぼ全面高。日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)は午後に持ち直している。原油高によるインフレ懸念から債券は売られている。
中東情勢混迷による安全資産需要で金相場が上昇、原油は上昇している。金融市場はリスクオフと原油高によるインフレ懸念という要因に挟まれている。安全資産とされる債券は原油高の影響をより受けて売りが優勢だ。
為替
円相場は1ドル=147円09銭まで下落し、1カ月超ぶりの安値圏で推移している。中東情勢の緊迫化を背景に有事のドル買いが優勢だ。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「リスクオフのドル買いが重なっているようだ」と指摘。ドルは「じりじりと買われており、イラン問題の行方がはっきりするまで、ドルは堅調が続く可能性がある」と語った。
株式
東京株式相場は午後に入り下げ幅を縮小。米国によるイラン攻撃を受け、インフレや地政学リスクの高まりを警戒した売りが先行している。電機株のほか、鉄鋼や化学など素材株、証券や銀行など金融株が安い。
原油市況高を追い風に鉱業株は上昇。防衛費の増額期待から三菱重工業など防衛関連株も高い。外国為替市場でのドル高・円安は指数を下支えしている。
✔「米国施設や米国人、エネルギー施設への攻撃リスクがあることで日本株にも一時的な影響が出そう」と指摘。ただ、米国とイランの軍事力の圧倒的な差を考えれば、両国の紛争は現実的には長期化しないだろうとも述べた。
米国債:米国債投資家、早期利下げ観測後退で長期債から資金引き揚げ
Reuters によるストーリー 2025年6月18日EST
[ニューヨーク 16日 ロイター] – 米国債市場で投資家が長期や超長期ゾーンから資金を引き揚げる動きが出ている。連邦準備制度理事会(FRB)が当面、積極的な利下げ局面に戻りそうにないとみられるためだ。
FRBは17、18の両日開く連邦公開市場委員会(FOMC)でも金利の据え置きを決める見通しだ。こうした政策の現状維持予想は、景気後退懸念が弱まったことや、トランプ大統領が掲げた大型減税法案など財政運営への警戒感が背景にある。
ただ、財政赤字が一段と膨らむと見通しのため、景気後退入りへの懸念がさらに高まった。
5―30年のイールドカーブ形状について「さらにスティープ化する可能性があると思う」と述べた。
その上で「われわれはデュレーションを長目にしているが、短期よりも短期を重視している」