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トランプ政権2期目の通商政策と円安加速:日本市場の変動と投資家の戦略を読み解く

2024年アメリカ合衆国大統領選挙で共和党のドナルド・トランプが当選、4年ぶりの返り咲きを決めた。世界各国を関税で脅し、構内では人権や司法を軽んじ、ウクライナやガザやイランの情勢を迷走させる第2次トランプ政権はどこへ行き着くのか>

 

関税通商交渉日本発表内容 5,500億ドル(約80兆円)を差し出して関税10%削減した日本

 

米国と日本が22日(現地時間)、通商交渉に合意した。日本製品に課される関税を15%に引き下げる代わりに、日本が米国に5500億ドル(約80兆円)を投資し、自動車・農産物市場を開放するのが骨子だ。日本製自動車に対する関税を、現行の25%から半分に引き下げることでも合意したという。

日米相互関税25%→15%で合意、石破茂首相は成果強調も…ネットでは「不利な条件ばっかじゃんよ」「見出しのぱっと見は良さそうに見えるけど合意内容は悪そうだ」

報道によると、米側は25%としていた日本に対する「相互関税」を15%に下げる。日本車に課す25%の追加関税を半分の12.5%にし、既存の関税25と合わせ計15%とする。石破首相は「対米貿易黒字を抱える国の中で、これまでで最も低い数字となる」と述べ、今回の合意は「対米黒字を抱える国の中で最大の引き下げ幅を得られた。大きな成果だ」と強調したという。

[東京 7月28日 ロイター]

日本企業にとって不透明要因だった日米の関税交渉が決着した。税率が当初の想定より低下したものの、4月より前と比べれば高く、各社はコスト削減で吸収し切れない分を値上げや現地生産などで対応することを視野に入れている。

東南アジアから米国へ輸出する分の関税や、米中摩擦の行方など、考慮すべき変数もまだ多い。

因みに:2025年度の日本の国家予算は、歳出入総額115.5兆円で、昨年度比3.0兆円の増加が見込まれています。

国家予算の概要

  • 歳出入総額: 115.5兆円
  • 税収見込み: 78.4兆円(昨年度当初予算から8.8兆円の増加)
  • 新規国債発行額: 28.2兆円(17年ぶりに30兆円を下回る)

 

関税通商交渉アメリカ側での発表内容

日米関税交渉の主な合意事項は以下の通り

7月23日、ワシントンで(2025年 ロイター/Kevin Lamarque) [東京 24日 ロイター]

《関税》

・相互関税は15%を適用。既存の関税率が15%以上の品目にはかからない。15%未満の品目については15%が上限となる

・自動車・部品は既存の税率を含め15%とする

・半導体や医薬品など経済安全保障上重要な物資は、仮に将来分野別関税が課される際も日本が他国に劣後する扱いとならないと確約

・コメは現行のミニマムアクセスの枠内で米国からの輸入を増やすことが可能

・農産品含め日本側の関税を引き下げることは含まれない

・鉄鋼・アルミ関税は合意に含まれず。引き続き協議

《投資》

・強靭なサプライチェーン構築へ連携。半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、AIなど経済安保上重要な分野が対象

・日本の経済安保の観点から極めて重要な合意実現のため、日本企業が関与する医薬品や半導体などの重要分野での対米投資促進へ、政府系金融機関が最大5500億ドル(80兆円)規模の出資、融資、融資保証を提供可能に

米国が日本の投資からの収益の9割を確保。日本は1割。

注:米側は合意後の23日に「ファクトシート」にて

日本は米国の指示の下、米国の基幹産業の再建・拡大に向けて5500億ドル(80兆円)を投資する」(米側が発表)

ファクトシート(Fact Sheet)とは、特定のテーマや製品、サービスに関する情報を簡潔にまとめた資料

《非関税障壁》

・米国産車の認証手続き簡素化

米国産自動車・トラックに対する規制を撤廃し、米基準を日本で初めて承認

《その他》

・為替に関する内容は含まれない

・防衛費に関する内容は含まれない

《農産品》

・日本が米国産コメの輸入を75%増やし、輸入割当枠も大幅に拡大。米国産トウモロコシ、大豆、肥料、バイオエタノールのほか、環境に優しい航空燃料などを含む産品80億ドル相当(1.2兆円)を購入

《商用航空機》

・日本が米国製商用航空機の調達を確約、米ボーイング機100機が含まれる

《LNG》

アラスカ産液化天然ガス(LNG)を巡る新たな契約の検討も進める

トランプ大統領はこの7月22日午後、ホワイトハウスで行われた共和党議員らとの夕食会で「日本とはさらに別の合意を締結する」と述べ、「日本はアラスカでの液化天然ガス(LNG)関連で我々と合弁ベンチャーを設立する」と明かした。これは、米国が進めている全長1300キロメートルのアラスカLNGパイプライン建設プロジェクトに日本が参加することになった、という意味だと解釈できる。アラスカのガス田は、少なくとも440億ドル(約7兆円)と推定される天文学的な初期投資費用と極寒などの開発上の困難から10年以上中断されており、経済性にも強い疑問が持たれてきた。しかし、トランプ氏は1月20日の就任当日にアラスカガス田開発のための大統領令に署名

《軍事装備》

日本が年間数十億ドル(約1450億円)相当の米国産防衛装備を購入

インド太平洋の相互運用性・同盟の安全保障の向上につなげる

 

アングル:日本企業、関税率確定もなお変数 値上げや米国生産視野

東京 28日 ロイター]2025年7月28日10:38

日米が23日に合意した税率は相互関税、自動車関税とも15%。相互関税は8月1日から適用されるはずだった25%から10ポイント、自動車関税は4月から導入された27.5%から12.5ポイント下がる予定だ。

「いろいろな創意工夫で影響を緩和することが可能な水準だ」と、日本貿易振興機構(ジェトロ)の石黒憲彦理事長は24日の記者会見で語った。「関税率がなかなか決まらず、不確実性から意思決定ができないことによる機会損失も相当大きくなっていた。そういう意味では(交渉期限だった)8月1日を待たずに決着したことはとても良かった」と述べた。

相対的な関税率

  • 日本の税率が確定しても、米国は各国に関税をかける方針のため状況は複雑だ。ジェトロ・アジア経済研究所の磯野生茂主任研究員は「米国の関税政策の各国への影響は単に関税率の絶対水準だけでなく、中国や他国と比較した『相対的な関税率』によって大きく左右される」と指摘する。
  • 「米国の関税政策の各国への影響は単に関税率の絶対水準だけでなく、中国や他国と比較した『相対的な関税率』によって大きく左右される」と指摘する。
  • 米国と中国の関税の応酬が決着していないことも気掛かりだ。内需が低迷したままの中国は米国への輸出もしづらく、国内で過剰になった製品が東南アジアなどに安値で出回り、世界的に市況を下げている。
  • 「米国の関税政策とそれに対する関係国の対応、米ドルの信任の揺らぎなど通年の業績予想を難しくする要因が依然として複数ある」と語った。

 

割安株を選好し始めた投資家

The Wall Street Jounal

ウォール街のバーゲンハンター(バリュー投資家)たちが戻ってきた。

米デトロイト在住で自動車会社のアナリストとして働くチェース・グッドマンさん(29)は今年4月まで、世界最大級のハイテク企業が中心の株価指数に連動するファンドに余剰資金を投資していた。しかし最近は、企業の開示資料を読み、各社の株価が簿価と比べてどのくらいの水準で取引されているかを追跡している。

グッドマンさんは「割安な企業を探している」と述べ、自身が最近選んだ銘柄のうちの二つについてまくし立てた。その二つとは、半導体メーカー向けサプライヤーのフォトロニクスと消費者金融のメダリオン・ファイナンシャルだ。

消費者金融のメダリオンを、「マグニフィセント・セブン(M7)」と呼ばれるハイテク7社の一つと混同する人は誰もいないだろう。しかし、最近の経済や地政学に関するニュースを手掛かりにした取引が何カ月も続いた後、市場を構成するさまざまな株式の違いが表れ始めている。グッドマンさんのような個人投資家はそれに注目しており、超大型のハイテク株を避け、過小評価されたり見落とされたりしている潜在的な優良株に目を向けている。投資家やアナリストは、確かに銘柄を選び直すのは楽しいし、恐らく有益だろうと話している。

パイパー・サンドラーのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・カントロウィッツ氏は「今はマクロの話になっており、大半の株は企業の経営や利益、売上高とは無関係に値上がりしている」とし、「これまでは選別物色の展開ではなかったが、今後はそのような展開になると思う」と述べた。

ハイテク大手のバリュエーションが極めて高いため(株高)、投資家はそこまで高くない代替投資先を探している。加えて、トランプ米政権の通商政策が全ての企業に同じように影響しているわけではないため、調査指向の投資家にとっての勝者(と敗者)が生まれている。

S&P500種指数の構成銘柄の株価は、今年2月以降のどの時点と比較しても、足並みがそろわなくなっている。株価は2月時点では、2024年米大統領選の結果を受けてまだ上昇していた。

カリフォルニア州を拠点とするプライベートエクイティ(PE)投資会社の幹部は、ハイテク大手の株価が急騰しているのを目撃し、その急騰の根拠になっている人工知能(AI)ブームが十分理にかなっているのかへの疑念を強めた。彼はここ数週間で、電力会社大手のデューク・エナジーとエジソン・インターナショナルの株を買い増した。

1990年代のドットコム・バブルのような感じがしている。私は他のチャンスを探す。基礎的な指標で見て割安な企業を探そうと思う」と話す。

アナリストらは、バリュエーション自体で市場の動きを予測することはできず、株式は長期間にわたって高いバリュエーションで取引されることがあると指摘する。とはいえ、現在の相場はとてつもなく高い水準にあると、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は語った。

トレーダーらは市場の過熱感を示す他の兆候にも注目している。ミーム株(はやり株)への投機や、ビットコインの価格を過去最高水準に押し上げた暗号資産(仮想通貨)への熱狂などだ。

最近の楽観的な風潮は、2025年後半に多くのリスクが消えずに残っている状況にそぐわない、と警告するアナリストもいる。例えば、

関税政策の詳細はまだ確定しておらず、トランプ政権が自ら設定した81日の合意締結期限が迫っている。また、米国の政策の影響でインフレ率が高まっていることを示す初期兆候もあり、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に実施すると広く予想されている利下げを見送る可能性がある。

モーニングスター・ダイレクトのデータによるとM7(マグニフィセント・セブン)の代わりに、公益企業のAESや、四半期配当狙いで最近購入した不動産投資会社ツー・ハーバーズ・インベストメントなど、より人気のない銘柄を選好しているという。

「M7の過去のようなパフォーマンスを当てにしたくない」とし、特に退職年齢が近づくにつれ、成長より安定性の方が重要になっている。株式投資は続ける、それと同時に、値動きがより少ない、より低リスクのアプローチを取る必要があるとおもいます

 

どのような低リスク投資戦略がありますか

低リスク投資にはいくつかのアプローチがあり、安全性と安定性を重視した選択肢が人気です。

例えば、

国債への投資:政府が発行する債券で、元本保証が高い安全な選択です。利回りは低めですが、リスクが少ない点が特徴です。

定期預金銀行の定期預金はリスクがほぼゼロですが、長期間資金をロックする必要があります。

インデックス型投資信託市場全体に投資する投資信託で、分散効果があり、コストも抑えられることが多いです。

金ゴールドへの投資: 金への投資には、現物投資と金融商品投資の2つの主要な選択肢があります。現物投資は金貨やインゴットなどの実物の金を直接購入する方法で、金を手元に保有できるため、金融市場の変動に左右されにくいというメリットがあります。一方、金融商品投資は金ETFや金関連株、金先物取引などを利用して、間接的に金に投資する方法で、実物を保有する必要がなく、取引が容易であるというメリットがあります。ただし、金融機関による運営管理コストがかかるデメリットもあります。金投資に際しては、税制上の取扱いにも注目する必要があります。

 

株最高値の日本市場に浮かれ庶民が熱狂する間に著名投資家はせっせと売っている

ベゾス氏、アマゾン株の大量売却完了-6月の結婚後総額57億ドル調達

Bloomberg 2025年7月26日 12:20 JST

最大2500万株売却計画、今月23日と24日に残りを実行

ベゾス氏は現在もアマゾン株8.84億株以上保有、世界3位の富豪

米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏は、6月下旬の結婚式以降に同社株を大規模に売却し、約57億ドル(約8400億円)を得ていたことが分かった。

ベゾス氏が今年初めに設定した最大2500万株の売却計画に基づくもので、同氏は手始めに、ベネチアでの3日間にわたる豪華な結婚式にあわせて7億3700万ドル相当を売却していた。米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ベゾス氏は今月23日と24日に2500万株の残り分である420万株を9億5400万ドルで売却した。

売却はアマゾン株が4月の安値から38%上昇する中で実施された。

 

売るべきタイミングの“合図”とは

米国市況株続伸、米EUの合意期待で-逃避の動き後退で国債反落 Bloomberg 2025年7月24日 5:50 JST

  1. 23日の米国株は続伸。米国が日本と通商協議で合意し、欧州連合(EU)とも同様の合意を結ぶとの観測が強まる中、買いが優勢となった。
  2. 個人投資家、米国株買い継続-ウォール街の慎重姿勢と対照的ー個人投資家による株式投資削減、最後になる傾向-底打ちに必要

ポートフォリオを長期的に見る人ほど押し目買いに楽観的に臨む傾向があります。だが、これが勝ち筋かどうかはまだ分からない。株価指数は激しい値動きを伴いながら下落しています。

こうした大きなボラティリティーは、個人投資家が実際にどれほど利益を上げているのかを判断しづらくしています。市場参入と市場から撤退するタイミング次第で結果が大きく異なるからです。

一方で、フィデリティ(Fidelity)は全てのリスク資産に対して強気なわけではない。サムソン氏によれば、同社のクロスアセットポートフォリオは米国の投資適格債およびハイイールド債については弱気に転じている。米国債との利回り格差が小さいことが理由で、ヘッジ手段として金(ゴールド)を購入しているという。Fidelity

市場から撤退する(方向性がわからない)タイミングでの資産を低リスクで運用する方法としてゴールドETFをお勧めします

BRJ I シェアーズ ゴールド ETF (314A)=234円(一口)100株から購入可能東京証券取引所 2025年7月30日現在

過去 1 年 • 次の時点 7月30日 09:31 JST

‎+33.90 (‎+16.89%)

 

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